『太古より 人を眺めて 数千年 今尚見るその目 世界の人々』
エジプトに来て3ヶ月弱になるわけだが、
なぜあの馬鹿たれはいつもいつも最後にバタバタするのであろうな?
長旅でも学べない下僕は、何か致命的な問題があるような気がしてしまう。
観覧者の皆様こんばんは、かなり久しぶりになってしまっている我輩である。
まったくそれもこれも下僕の観光への気合が足りないせいなので、
我輩のファンの方は下僕に石でもぶつけると良いと思うぞ。
まあ、そんな訳で本日。
世界遺産でもある『アブシンベル神殿』へ行ってきたのであるが、
何と言うか、旅は全てが思い通りになる訳ではない事を、
久しぶりに痛感してしまうようなツアーであった。
まず最初の予定として、早朝朝日に染まるアブシンベル神殿を見るというのが、
このツアーの醍醐味であり、下僕をたたき起こしたのが朝の2時半。
「なんだか寝た気がしない……」と軟弱なことを言う下僕を尻目に、
集合場所である宿のレセプションにて、ガイドの方を待っていたのだが

一向にガイドの方が現れる気配がない……
どういうことだろう、と他のツアーの参加者の方とぼやいていると、
現れたのはツーリストポリスと宿のツアー担当の方。
皆で『どうなってるんだ?』と詰め寄ると、お二人曰く
『今行く道の砂漠にて大嵐が吹いているため、バスを出す許可が出せない』
『10時頃なら警戒が解除されると思うから、その時まで待ってくれ』との事。
我輩は紳士であるので、ここで怒鳴っても仕方ないと、下僕共々部屋にて
不貞寝二度寝としゃれ込み、
ノック音で目が覚めたのは10時半。
『今度こそ間違いなく行けるんだろうな?』と確認すると、
『アブシンベルは行けるけど、時間が無いのでアスワンダムは無理』と、
これまた怒っても仕方が無い回答を頂く。
時間があれば明日に変更したい所であるが、今回は誰かのおかげで時間が無い身の上。
仕方あるまいと他のツアーの方とバスに乗り込んだのだが、
狭い&クーラーがほとんど効かないという、イカした設備のマイクロバスにて、
隣の外人の方と愚痴を言ったり、下僕が変な寝汗をかいたりしながら、
バスが砂漠を突っ走ること4時間弱。

下僕曰く、

『寝ても醒めても同じ風景で、精神的にこたえた』との刑務を終え。

何とか念願のアブシンベル神殿へ到着したのだが、
バスを降りてから、妙に下僕の挙動がおかしい。
どうしたのだと聞くと、『
宿に財布を忘れた……』と、
ありえない事をぬかしおった。
なんとか同行者で宿が同じ方に、100ポンドをお借りすることが出来たので、
事なきを得たが、もし誰も優しい方がいなかったら、
ここまで来て入り口で指をくわえて呆然とする所だった訳で、
下僕のうかつさに肝が冷える思いである、まったく。
さてチケットを買い、相変わらず妙に厳重な荷物チェックを受け、
神殿裏側よりぐるっと周り、正面に向かうわけなのだが、

何と言うか裏側から見ると、単なるデカイ丘であるな。
右手にアスワン・ハイ・ダム建設によって出来た、
エメラルドグリーンの人口湖

ナセル湖を眺めてから後ろを振り返ると……

世界遺産である、『アブシンベル大神殿』に迎えられる。

うーむ、何ともすごい代物である。

ちなみにこの神殿は、紀元前1314頃 - 紀元前1224年、または紀元前1302頃 - 紀元前1212年のファラオ、
ラムセス2世の偉業であるとされている訳なのだが、
雑に換算しても、3000年以上昔からここに立っている計算になるのだが、

なんとも昔過ぎて、我輩少々気が遠くなってしまった。

しかしながら残念なのが、神殿内が撮影禁止なことである。

神殿内は、このような綺麗な彫刻や、数々の神々の巨大な像など、
数千年前のものとは思えない、素晴らしい代物で溢れているだけに、
お見せできないのが非常に残念である。

かろうじて入り口から内部を撮影するのが精一杯なため、
この写真でご勘弁頂きたいが、本当に内部は素晴らしいものであったぞ。
またちょっと先に進んだところににある、『アブシンベル小神殿』も

これはこれで中々の迫力であり、

往年のファラオの権力を思い知るような代物であった。

また昼過ぎの一番暑い時間であったのにもかかわらず、
爽やかな風が流れていて、その意味でも意表を突かれた思いである。
以上我輩のアブシンベル神殿のレポートであった。
さて明日は早朝にこの街を旅立ち、
エジプト最後の街でもあるルクソールに向かう。
夜中に二度寝したり、バス内で悪夢を見たおかげで、
下僕の生活リズムが崩れまくっているようであるが、
寝坊=バーストである事を下僕の肝にしっかりと命じさせ、
本日は寝るとするかな。
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テーマ:ユーラシア横断 - ジャンル:旅行
- 2010/03/17(水) 05:31:35|
- アスワンのボス
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